最近、スーパーやコンビニのレジ待ちが減って便利になったと感じる一方で、セルフレジの操作になんとなくモヤモヤした不満を抱えていませんか。店員さんに代わって自分で商品のバーコードを探し、ピッピッと読み取って袋詰めまで行う。ふと「なんで客である私が、店員の仕事を無給でやらされているんだろう?」と疑問に思ったことがある方は、決してあなただけではありません。
さらにネット上では、「スキャンし忘れただけで万引き犯のように高圧的に問い詰められた」「客にレジ打ちの責任を押し付けておいて、ミスをしたら犯罪者扱いなんておかしい」といった、店舗側への怒りの声が日々爆発しています。毎日のお買い物でPayPayのポイント還元を狙ったり、コツコツとマイルを貯めたりと、せっかく楽しくやりくりしているのに、レジでの嫌な思い一つで1日の気分が台無しになってしまいますよね。
そして誰もが一度は考えるのが、「ユニクロみたいに、カゴをポンと置くだけで一瞬で全部計算してくれるレジにすればいいのに!」という素朴な疑問です。なぜスーパーはあの超絶便利なシステムを導入しないのでしょうか。今回は、SNSで渦巻くセルフレジへの怒りの声と、食品スーパーが「ユニクロ方式」を導入できない泥臭い裏事情について、徹底的に検証しました。※本記事は執筆時点の情報を基にしており、各企業のシステム導入状況は随時変動する可能性があります。
この記事を読むことで、以下の疑問やモヤモヤがスッキリ解決します。
- セルフレジに対する世間のリアルな怒りと不満の正体
- 高圧的な態度をとってしまう店員さんの過酷な裏事情
- スーパーがユニクロのレジ(RFID方式)を導入できない決定的な理由
- これからの時代、私たちがストレスなく買い物をするための心構え
世間の反応まとめ「店側の責任転嫁でおかしい」の怒りの声
セルフレジが急速に普及した背景には、小売業界全体が抱える深刻な人手不足があります。しかし、その「業務効率化」という店舗側の都合によるしわ寄せが、すべて客側に「責任」として押し付けられているのではないかという不満が、現在SNSを中心にマグマのように溜まり、爆発しています。
ここでは、ネット上に溢れる悲痛な体験談と、なぜ私たちがこれほどまでにセルフレジに対して怒りやストレスを感じてしまうのか、その心理的なメカニズムを深掘りしていきましょう。
「高圧的な店員に傷ついた」SNSで共感殺到の体験談
X(旧Twitter)やYahoo!ニュースのコメント欄などを毎日リサーチしていると、セルフレジにまつわるトラブルや不満の声が本当に毎日のように投稿され、数万件規模の「いいね」を集めてバズっているのを目にします。その中で最も目立ち、かつ人々の心をえぐっているのが、「わざとじゃないのに、まるで万引き犯を見つけたかのような高圧的な態度で店員に詰め寄られた」という悲しい体験談です。
例えば、「仕事帰りでクタクタに疲れていて、泣きじゃくる子どもの手を引きながら必死にレジを通していたら、たった一つ、数十円のお菓子のスキャン漏れがあった。すると、後ろで腕を組んで監視していた店員が飛んできて、『お客さん!これ通ってませんよ!』と周囲の客全員に響き渡るような大声で注意された。恥ずかしくて悔しくて、二度とそのスーパーには行かないと決めた」といった投稿です。これには多くの人が自己投影し、「私も同じ経験がある」「なぜ客がそこまで言われなきゃいけないのか」と強い共感を示しています。

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そもそも、レジ打ちというのは「正確にお金と商品を管理する」という、本来はお給料をもらってやるべきプロの仕事ですよね。その面倒な業務を何の訓練も受けていない一般客に丸投げしておきながら、ミスの責任(ペナルティや心理的負担)だけはすべて客に負わせるという構造自体が、「究極の責任転嫁」だと感じられてしまうのは無理もないかなと思います。本来なら、客側が手間のかかるレジ打ちを代行する代わりに「全品3%オフ」などの明確な対価やメリットがあっても良いはずなのに、そういった還元はほとんど見られないのも、私たちの不満をジワジワと助長させています。意図せぬ疑いをかけられないためにも、最近導入が進むセルフレジのAI監視システムの実態と、無用なトラブルを回避する対策について知っておくのも自己防衛の一つです。
また、スーパーやコンビニごとに導入している機械のメーカーが違い、操作パネルのUI(画面のボタン配置や操作手順)がバラバラなことも、見逃せないストレス要因です。「マイバッグはお持ちですか?」「ポイントカードはありますか?」「支払い方法を選択してください」など、延々と続くタッチパネルの質問攻めにイライラさせられ、いざ決済しようとすると謎のエラー音で止められる。こうしたシステムの使い勝手の悪さや不親切さが、「うっかりミス」を誘発する罠のように感じてしまう人も少なくないのが現状です。
なぜ店員はキツい態度に?過酷な店舗オペレーションの裏側
客側の不満が日々溜まる一方で、現場で働く店員さんたちもまた、セルフレジの導入によって想像を絶するストレスとプレッシャーを抱えています。「なんであんなにキツい言い方をするの?」「もう少し優しく言ってくれればいいのに」と思うかもしれませんが、彼らの置かれている過酷な裏事情を知ると、少しだけ見方が変わるかもしれません。
セルフレジが店舗に導入されると、経営陣は「これで人件費が浮く」と判断し、当然のようにシフトに入る人員を大幅に削減します。これまでレジ1台につき1人の専属スタッフがついて接客していたのが、今では「監視スタッフ1人で6台〜8台のセルフレジを同時に見張らなければならない」という、過酷なワンオペ状態に陥っている店舗も珍しくありません。彼らは「タッチパネルの操作が分からなくて困っている高齢者のサポート」に走り回りながら、同時に「悪質な万引き犯がいないかの監視」もしなければならないという、聖徳太子のようなマルチタスクを強要されているのです。
もし店舗で万引きや精算漏れによる「不明ロス(帳簿上の在庫と実際の在庫が合わないこと)」が多発すれば、店長やエリアマネージャーから「お前たちの監視が甘いからだ!」と厳しく叱責されるのは、現場で一番立場の弱いパートやアルバイトのスタッフたちです。そのため、彼らは常に極度の緊張状態の中で、客の手元やカバンの動きを凝視せざるを得ません。
さらに昨今では、店員に対する暴言などの「カスタマーハラスメント(カスハラ)」も社会問題化しています。注意した客から逆ギレされて怒鳴られる恐怖とも戦っています。自己防衛の本能と、会社からの「ロスを出すな」という強烈なプレッシャーから、精算漏れを発見した際に思わず声が大きくなったり、刺々しい戦闘態勢のような態度になってしまうのも、ある意味で無理からぬことだと言えますよね。
つまり、セルフレジという「まだ発展途上にある不完全なシステム」を間に挟んで、「無給で働かされている客」と「過重労働で監視を強いられている店員」がお互いに疑心暗鬼になり、不毛な対立をさせられているのが現在の日本の小売業のリアルな姿なのです。本当の意味での「悪者」は現場には存在せず、双方がコストカット偏重のシステムの被害者になっているという構造が見えてきます。
【検証】なぜスーパーはユニクロ(RFID)方式にしないの?
セルフレジへの不満や対立が高まる中、SNSや世間話で誰もが一度は口にする最強の解決策があります。それが「アパレル業界の王者、ユニクロのレジをそのままスーパーにも導入すればいいじゃないか」という意見です。買い物カゴを所定のくぼみにポンと置くだけで、中に入っている数十着の服を一瞬にして正確に自動計算してくれるあの魔法のようなシステム。あれさえあれば、スキャン漏れの恐怖も、高圧的な監視員のプレッシャーも、すべてのモヤモヤが一気に消え去るはずですよね。
しかし、なぜ大手スーパーマーケットはあんなに便利で画期的なシステムを真似しないのでしょうか。「店側の怠慢だ」「設備投資をケチっているだけだ」とネットで批判されることも多いですが、実はそこには、食品スーパーならではの「絶対に越えられない物理的・経済的な壁」が存在しているのです。
水分と金属の壁!食品スーパーならではの泥臭い事情
ユニクロが導入している一瞬で会計が終わるシステムは、「RFID(Radio Frequency Identification)」という電波を用いた技術を使っています。商品の値札一つ一つに小さなICタグ(電子タグ)が埋め込まれており、そこから発せられる電波をレジのアンテナが一気に読み取るという素晴らしい仕組みです。アパレル店であるユニクロの商品は「布」ですから、電波を遮るものは何もなく、カゴの中にぐちゃぐちゃに丸めて放り込まれていても、ほぼ100%に近い精度で瞬時に読み取ることができます。
ところが、食品スーパーの買い物カゴの中身を想像してみてください。スーパーのカゴの中は、RFIDにとって「最悪の環境」なんです。
RFIDが発する電波には、「水分に吸収されやすく、金属に反射しやすい」という非常にデリケートな物理的弱点があります。スーパーのカゴには、お肉、魚、豆腐、野菜といった「水分をたっぷり含んだ生鮮食品」や、缶ビール、缶詰、アルミホイルで包まれた惣菜などの「金属製の商品」、さらには保冷剤や結露でビッショリと水滴がついた冷凍食品などが混在しています。
このように、「電波を邪魔する水分と金属のカオス状態」になっているスーパーのカゴでRFIDの電波を飛ばしても、水分に電波が吸い取られてタグが反応しなかったり、缶ビールに電波が乱反射して隣のレジの商品まで誤って読み込んでしまったりと、正確にすべての商品を計算することは現在の物理学の限界では不可能なのです。もし強引に導入したとしても「あれ?お豆腐と缶チューハイだけ計算されてないぞ」といった読み取りエラーが頻発し、結局は店員さんを呼んでカゴから全部出して一つずつ確認するという、本末転倒な事態に陥ってしまいます。

りゅうさん速報イメージ

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1枚数円のコスト問題:薄利多売モデルの限界
そしてもう一つ、物理的な壁以上にスーパーの経営を苦しめ、ユニクロ方式の導入を阻んでいるのが「圧倒的なコストの壁」です。RFIDタグは技術の進歩で年々安くなっているとはいえ、1枚あたり「数円〜十数円」の製造コストが確実にかかります。このたかが数円という小さな金額の差が、アパレル業と食品スーパーのビジネスモデルの決定的な違いを浮き彫りにします。
ユニクロのように、1着2,000円〜5,000円で販売し、利益率も比較的高いアパレル商品であれば、1枚10円のRFIDタグのコストは十分に吸収できます。タグをつけることで棚卸しなどの在庫管理が劇的に効率化され、バックヤードの人件費を削れるメリットの方がコストをはるかに上回るからです。
しかし、食品スーパーは典型的な「薄利多売(利益は極めて少ないが、毎日大量に売ることで利益を出す)」のビジネスモデルです。スーパーの営業利益率は一般的にわずか1〜3%程度と言われています。国もこの課題を認識しており、経済産業省は将来的に電子タグの単価を1円以下に引き下げることを目標とした取り組みを推進しています(出典:経済産業省『IoT等を活用したサプライチェーンのスマート化』)。しかし、現状のコスト感ではスーパーでの全面導入は絶望的です。
| 業界 | 代表的な商品例 | 販売価格 | RFIDタグ導入コスト(仮定:1枚10円) | 経営への影響 |
|---|---|---|---|---|
| アパレル(ユニクロ) | フリースジャケット | 2,990円 | 10円(価格の約0.3%) | 利益内で十分吸収可能。在庫管理のメリット大。 |
| 食品スーパー | もやし | 38円 | 10円(価格の約26%) | 利益が完全に吹き飛び、即赤字に転落。 |

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表を見れば一目瞭然ですよね。例えば特売で売られている「38円のもやし」や「50円のえのき」に、1枚10円もするハイテクなICタグを貼り付けてしまったら、スーパーの利益は完全に吹き飛び、売れば売るほど大赤字になってしまいます。さらに、メーカー側でタグを付けられない地元野菜や、夕方の「半額シール」を貼るお惣菜などに、店員が手作業で一つずつタグを貼り付ける人件費も馬鹿になりません。
もし強引に食品スーパーがユニクロ方式を導入するとすれば、その莫大なタグのコストや設備投資は、最終的に商品価格に上乗せされることになります。結果として、「もやし1袋が100円」「牛乳が1本300円」という超インフレ状態になり、私たち消費者の家計を直撃することになるのです。「レジを便利にしてほしい」という願いは、裏を返せば「毎日買う食品の値段が爆上がりしてもいいですか?」という究極のトレードオフを迫ることと同義なのです。そう考えると、今の少し面倒なセルフレジも、安さを維持するための苦肉の策なのだと理解できますよね。

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まとめ:怒りの矛先はどこに向けるべきか?冷静な視点
ここまで、セルフレジに対する世間の不満の正体と、スーパーがユニクロ方式(RFID)を導入できない物理的・経済的な泥臭い理由について徹底的に検証してきました。
私たち消費者が「なんで自分がレジ打ちをさせられているんだ」「高圧的に監視されて不愉快だ」と怒りやストレスを感じるのは、感情として非常に真っ当なことです。慣れない作業を無給でやらされているのですから当然ですよね。しかし、その怒りの矛先を、目の前で必死に監視しているパートの店員さんに直接ぶつけるのは、少し立ち止まって考え直した方が良いかもしれません。彼らもまた、人手不足という社会問題と、不完全なシステムの間で板挟みになり、会社からの「ロスを出すな」というプレッシャーに耐えながら懸命に働いている一人の人間だからです。

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そして、小売業界も決してサボって客に責任を押し付けているわけではありません。RFIDが使えない食品スーパーという厳しい環境下でも、いかに不正を防ぎ、かつ客の負担やストレスを減らすかという技術開発は日夜進んでいます。例えば、カゴに入れた商品の「重さ」と「画像認識AI」を組み合わせて、スキャン漏れがあったら優しく画面で教えてくれる最新レジや、ショッピングカートそのものにスキャナーやタブレットがついていて、買い物をしながら袋詰めと精算が完了する「スマートカート」の導入実験も全国のスーパーで徐々に始まっています。
今はまさに、昭和のアナログな有人レジから、未来の完全デジタル無人決済へと移行する「痛みを伴う過渡期」にあります。あと数年もすれば、テクノロジーのさらなる進化によって今の不格好でストレスの多いセルフレジは淘汰され、もっと私たちがスムーズに、ストレスなく買い物できる時代が必ずやってくるはずです。
それまでは、お互いが「不完全なシステムを使わされている被害者同士」であることを心の片隅に留め、少しだけ相手に対して寛容な気持ちを持つことが大切です。そして何より、疲れている時こそ、会計後のレシートと袋の中身をサッと指差し確認して、自分自身の身と心を守る。万が一、自宅に帰ってから商品のスキャン忘れに気づいてしまった場合の、警察沙汰を防ぐための正しい事後対応もあわせて押さえておくとさらに安心です。そんな「スマートで賢い消費者」でありたいものですね。今日のお買い物から、ぜひ少しだけ意識を変えてみてください!

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